1週間は誰にとっても 168時間。
これは、成功者も一般の人も、木こりでも経営者でも同じです。
ローラ・ヴァンダーカムの著書『168時間の法則』では、この「168時間」の使い方を意識するだけで人生の満足度が大きく変わることが語られています。
薪ストーブのある暮らしは、時間そのものと深く関わる営みです。
薪割り・薪棚の整備・火入れ・灰の処理……どれも「手間はかかるけれど、その手間が豊かさをつくる」時間です。しかし現実には、仕事や家事に追われて薪活が後回しになり、「シーズン前に慌てる」「薪が足りない」といった問題も起こりがちです。
そこで今回は、**168時間の視点から「薪活を無理なく1週間に組み込む方法」**を解説します。
時間管理の本質を取り入れながら、薪ストーブのある暮らしをもっと楽しく、もっとラクにするための実践的な内容です。
1.168時間の法則とは?──時間の“見える化”がすべての出発点
168時間の法則の核心はシンプルです。
自分が本当に大事にしたいことを168時間の中にどう配置するか
これを把握するには、まず 現状の時間の使い方を記録すること(ライフログ) が欠かせません。
なぜなら、多くの人は「忙しい」と口では言いながら、実際には時間の使い方を正確に把握していないからです。
薪ストーブユーザーの場合も例外ではありません。
- 週にどれくらい薪棚のチェックをしているのか
- 薪割りに費やしている時間はどれくらいか
- 火入れや炉内掃除にどれほど時間を取っているのか
- 休日にまとめて薪割りするのか、平日に細切れで進めているのか
これらを把握するだけで、時間の「ムダ」と「無理」が浮き彫りになり、改善の糸口が見えるようになります。
2.なぜ薪活は“168時間単位”で考えると上手くいくのか
薪仕事は、毎日の細かな作業と、週末のまとまった作業の両方が必要な営みです。
つまり 日単位と週単位のバランスが重要。
● 毎日の行動
- 火入れ
- 火の管理
- 灰の処理
- 湿度・温度の調整
- 短時間の薪の移動
● 週単位の行動
- 薪割り
- 玉切り
- 薪棚の管理
- 含水率のチェック
- 必要量の見積もり
168時間は「週の時間」を示すため、薪活と非常に相性が良いのです。
これを活用すると、**薪仕事の負担を軽くしながら質を高める“習慣化の仕組み”**が作れます。
3.168時間の配分を決める前にやるべきこと:目的を明確にする
時間管理で重要なのは、まず「目的」。
薪ストーブのある暮らしであなたが何を重視しているかで、時間配分は大きく変わります。
目的の例
- 冬を完全に薪だけで過ごしたい
- 薪割りの時間そのものを楽しみたい
- 家族との団らんを中心にしたい
- 光熱費を抑えたい
- 自然とのつながりを大切にしたい
あなた自身の優先順位に応じて、薪仕事に割くべき時間は変わってきます。
目的をはっきりさせることで、168時間をどう配分するべきかが見えてくるのです。
4.1週間の時間配分の作り方:薪活を“ルーティン”にする
ここからは具体的なステップです。
ステップ1:まず現状のタイムログを3日〜1週間とる
紙でもアプリでも構いません。
15分単位で記録すると精度が上がります。
特に「何となくスマホ」と「何となくテレビ」の時間が可視化されると、薪活に使える時間が見えてきます。
ステップ2:薪活に必要な作業を分解する
例として、1週間の薪仕事をタスクに分けるとこうなります。
| 作業 | 時間 |
|---|---|
| 火入れ | 5〜10分 |
| 灰処理 | 5分 |
| 薪運び(室内へ) | 5〜10分 |
| 薪棚チェック | 10〜20分 |
| 薪割り(週末) | 60〜120分 |
| 玉切り(必要時) | 60分 |
作業を分解すると、「短時間でできるもの」と「まとまった時間が必要なもの」が明確になります。
ステップ3:短時間タスクを平日に、重いタスクは週末に
168時間の設計は「配置」がすべてです。
● 平日:
- 火入れ
- 灰処理
- 室内への薪運び
- 炉内の軽い掃除
→1日15〜20分で十分。
● 週末:
- 薪割り
- 玉切り
- 薪棚の整理
- 消費ペースの見直し
- 来週の準備
→週に1〜2時間でOK。
これだけで、薪仕事が負担から「習慣」へと変わります。
ステップ4:168時間の中に“定位置”を作る
時間管理で最も効果的なのは「定位置」を作ることです。
例)
- 火入れは毎朝6:30
- 灰の処理は毎週火曜の夜
- 薪棚のチェックは土曜の午後
- 薪割りは日曜の朝の1時間
このように「時間の住所」を決めると、迷いがなくなり行動コストが劇的に下がります。
5.168時間で見た“薪活のメリット”
時間配分が整うと、薪ストーブの暮らしはさらに美しく豊かになります。
① 精神的なゆとりが生まれる
薪が足りる安心感、作業が前倒しで進んでいる安心感。
この「安心の積み重ね」が生活の質を高めます。
② 身体的な健康につながる
薪割りは立派な運動です。
1週間の中で自然と身体を動かすリズムが作れます。
③ 家族時間が自然と増える
火の前に人が集まるように、薪活の時間が家族の会話のきっかけにもなります。
④ 季節感が明確になり、暮らしにリズムができる
薪棚が減っていく様子、冬の冷え込み、春の乾燥、夏の準備……。
時間の流れそのものが、暮らしの景色を作りだします。
6.168時間の配分サンプル:薪ストーブユーザーの1週間モデル
以下は「仕事が忙しい一般的な社会人」を想定したモデルです。
● 月〜金
- 朝:火入れ(10分)
- 夜:薪運び(10分)
- 火曜日:灰処理(5分)
- 木曜日:炉内の簡単な掃除(5分)
→ 平日の薪活合計:約1時間30分
● 土曜日
- 午後:薪棚チェック(20分)
- 必要なら玉切り(60分)
● 日曜日
- 朝:薪割り(60〜90分)
- 薪棚の整理(20分)
→ 週末の薪活合計:約2時間〜3時間
● 合計(1週間)
約3.5〜4.5時間で安定した薪活サイクルが作れる
168時間の中で4時間。
これは全体の 約2.3% にすぎません。
しかし、この2.3%があなたの冬の暮らしを大きく変えます。
7.薪活を「続くもの」に変えるコツ
① 天候で左右されない仕組みを作る
雨の日でもできる室内作業(薪運び、含水率チェックなど)を用意しておく。
② 道具の定位置を決めて迷いを減らす
斧、チェーンソー、手袋、メジャー、含水率計などを1カ所にまとめる。
③ 1回でやりすぎない
2時間以上の薪割りは疲労を招き、続かなくなります。
“1時間だけ”が続けるコツ。
④ 楽しむ工夫を加える
- ポッドキャストを聞きながら割る
- 子どもと薪を積む
- 季節ごとに写真を撮る
「楽しむ仕組み」が継続力を生みます。
8.168時間を再設計すると、薪ストーブ生活はもっと豊かになる
168時間を意識して薪活を組み込むと、薪ストーブのある暮らしが劇的に変わります。
- やるべきことが明確になる
- 焦りや不安が消え、精神的に安定する
- 薪が常に準備されている安心感
- 暮らしのリズムが整う
- 薪割りが週1回の“豊かな時間”に変わる
薪ストーブ生活は「時間の使い方そのもの」を豊かにする暮らしです。
168時間のフレームを使えば、忙しい現代生活でも無理なく薪活を習慣化し、
“炎のある豊かな冬”を実現できます。
あなたの1週間に、薪活の定位置を作ってみませんか?



