はじめに
薪ストーブや焚き火を始めようとするとき、一番苦労するのが「火起こし」です。特に冬の冷え切った朝や、キャンプ場で風が強いときは、なかなか火がつかずイライラした経験を持つ方も多いのではないでしょうか。そんなときに頼りになるのが着火剤です。
市販の着火剤も便利ですが、薪ストーブ暮らしをしていると「もっと身近な素材で作れないかな」と思うことがあります。そこでおすすめなのが チェンソー作業で出る木くず。薪を玉切りするたびに大量に発生する木くずは、実はとても優秀な着火材の素材なのです。
今回は、チェンソー木くずを活用した着火剤作りについて詳しく紹介します。
チェンソー木くずが着火剤に向いている理由
チェンソーで丸太を切ると、必ず粉状の木くずが出ます。この木くずが着火剤として優れているのには理由があります。
- 細かく粉状になっているため火がつきやすい
表面積が大きく、マッチやライターの小さな火でも燃えやすい。 - 樹種によっては油分を含みよく燃える
特にマツやスギなどの針葉樹は樹脂成分があり、燃焼が強い。 - 無料で大量に手に入る
薪割りや玉切りをしていれば、自然とどんどん出てくる。
つまり、薪ストーブ暮らしにおいて「副産物を再利用」できる最適な素材といえます。
基本の使い方①:そのまま着火材にする
一番シンプルなのは、乾燥させた木くずをそのまま使う方法です。
- 新聞紙を丸めて置く
- その上にチェンソー木くずをふんわり乗せる
- 小枝や細薪を重ねる
- ライターで火をつける
木くずは小さな火をすぐに受け止めてくれるので、スムーズに枝や薪に火が移ります。ただし、湿気を含んだ木くずは着火性が大幅に落ちるので、必ず日当たりのよい場所でしっかり乾燥させましょう。
基本の使い方②:ロウで固めた強力着火剤
もっと便利で長持ちする着火剤にしたいなら、ロウ(キャンドルの残りやパラフィンワックス) を使うのがおすすめです。
作り方
- 鍋にロウを入れ、湯せんで溶かす
- 紙コップや牛乳パックに木くずを詰める
- 溶かしたロウを流し込み、よく混ぜる
- 冷えて固まったら型から外す
これで完成です。固形になった着火剤は湿気に強く、火力も安定して数分以上燃え続けるため、太い薪にもしっかり火を移すことができます。
基本の使い方③:卵パック着火剤
家庭で作りやすく、見た目もかわいいのが 卵パック着火剤。
材料
- 紙製卵パック
- チェンソー木くず
- ロウ
手順
- 卵パックの穴に木くずを詰める
- 溶かしたロウを流し込み、しみ込ませる
- 固まったら、ハサミで1個ずつ切り分ける
卵パック自体も燃える素材なので、マッチ一本で簡単に火がつきます。キャンプ用や持ち運び用としても便利です。
実際に使ってみた感想
私自身、冬の朝に薪ストーブを点ける際、この木くず着火剤を常備しています。以前は市販の着火剤を毎回使っていましたが、自作のものに変えてからはコスト削減にもなり、ストーブの火付けが楽になりました。
特にロウで固めたタイプは、濡れた薪や少し湿った小枝でも火がつきやすく、雨の日キャンプでも重宝します。子どもたちと一緒に「卵パック着火剤」を作れば工作気分で楽しめ、アウトドアの準備としても盛り上がります。
保存のコツ
- 乾燥必須:木くずは必ず天日干ししてから保存する
- 密閉容器に入れる:ジップロックや缶で湿気対策
- ロウで固めたタイプは長期保存可能:数年持つので、防災用にもおすすめ
注意点
- チェンソーオイルが多く付着した木くずは避ける(不快な臭いや煙が出る)
- 着火剤を作るときは必ず換気のよい場所で行う
- 保管場所は火気厳禁
活用シーン
- 薪ストーブの焚き付け:冬の毎日の必需品
- キャンプの焚き火:軽量で持ち運びやすい
- 防災備蓄:停電時や災害時の火起こしに大活躍
まとめ
チェンソー作業で出る木くずは、捨ててしまえばただのゴミですが、工夫すれば立派な着火剤になります。
- そのまま焚き付けに使う
- ロウで固めて強力着火剤にする
- 卵パックを使って携帯用に仕上げる
薪ストーブ暮らしをしている方やアウトドア好きにはもちろん、非常時の備えとしても心強いアイテムです。ぜひ、日常のチェンソー作業から出る木くずを賢く活用してみてください。