はじめに
薪ストーブ生活に憧れて、自分で木を伐って薪にしたい!という方も多いでしょう。しかし、伐採作業は非常に危険を伴う作業です。素人がむやみに伐採現場に入ることは、自分自身の命を危険にさらすだけでなく、周囲にも大きな迷惑をかけかねません。
この記事では、伐採現場での注意点と、素人が絶対にやってはいけないことについて詳しく解説します。
伐採現場はプロの領域
森林の伐採作業は、熟練の技術者や林業従事者が行う専門作業です。使用される機械や道具も本格的で、チェーンソーひとつとっても扱いには高度な知識と経験が必要です。
現場では以下のようなことが同時進行で行われています。
- 木の倒れる方向を計算した伐倒
- 枝払いと玉切りの分担作業
- 重機による搬出作業
- 作業員同士の無線や声掛けによる連携
ひとつでも判断を誤れば、大きな事故につながります。
素人がやってはいけないこと7選
1. 無許可で現場に入る
私有地や管理された山林では、無断立ち入りは不法侵入に当たります。安全確保の面でも、関係者以外の立ち入りは厳禁です。
2. 安易にチェーンソーを使う
「動画で見たから」といってチェーンソーを持ち出すのは危険。キックバックによる事故は命に関わります。防護服なしでの作業は絶対にやめましょう。
3. ヘルメット・安全装備なしで作業
林業用のヘルメット、チャップス(脚部の防護具)、防振手袋などは、命を守るために必須の装備です。装備なしでの伐採は非常にリスクが高い行為です。
4. 倒れる方向の見極めを誤る
木は思った通りに倒れません。風向き、傾き、枝の張り方、地面の状態など、多くの要素が絡みます。誤って人や物を直撃させてしまう危険があります。
5. 単独で作業する
万が一のケガや事故の際に、誰にも助けを求められません。伐採は必ず複数人で行うべき作業です。
6. 落枝やつる植物の危険を軽視する
伐倒時、木に絡みついたつるや枯れ枝が予測不能な動きをすることがあります。これが原因で大事故になるケースも。
7. 現場の作業を勝手に撮影・SNS投稿する
伐採中の作業を無断で撮影・投稿することは、作業者のプライバシーや安全にも関わります。トラブルのもとになります。
どうしても自分で木を伐りたいなら
それでも「自分で木を伐ってみたい!」という方には以下のようなステップをおすすめします。
● 林業体験ツアーに参加する
各地の森林組合などが主催する伐採体験プログラムなら、安全に指導を受けながら学ぶことができます。
● チェーンソー講習を受ける
市町村や森林組合、民間団体が開催するチェーンソーの安全講習を受講しましょう。修了証がもらえることもあります。
● 信頼できるベテランに同行してもらう
経験豊富な知人や山主に同行してもらい、サポートのもとで作業を始めるのも一つの方法です。
プロに任せることの大切さ
大きな木の伐採や傾いた危険木は、必ずプロに依頼しましょう。多少の費用がかかっても、事故のリスクを回避することは最優先です。事故が起きれば、その補償や責任は取り返しがつかないものになります。
まとめ|「知らなかった」では済まされない
伐採作業は危険と隣り合わせ。素人が無防備に飛び込むのは、まさに命がけの博打です。
だからこそ、
「安全第一。無理をしない、無茶をしない」
この心構えが大切です。
自然の恵みをいただく薪ストーブライフ。その背景にある現場の苦労と危険性を知り、感謝の気持ちを忘れずに日々の暮らしに活かしていきましょう。