はじめに|「薪なら何でも燃える」は最大の誤解
薪ストーブを始めたばかりの人が、最初にぶつかる壁。
それが薪選びです。
「ちゃんと火をつけたのに暖まらない」
「煙が多くて近所が気になる」
「ガラスがすぐ真っ黒になる」
――その原因、ストーブではなく薪かもしれません。
薪は“燃料”であり、質によって体感温度も快適さもまったく変わるもの。
この記事では、初心者が失敗しやすいポイントを押さえながら、良い薪・悪い薪の見分け方を徹底的に解説します。
結論から|良い薪と悪い薪の一番の違い
まず結論です。
良い薪と悪い薪を分ける最大のポイントは「乾燥」です。
- 良い薪:十分に乾燥している(含水率20%以下)
- 悪い薪:乾いているように見えて中が湿っている
初心者が失敗する理由は、「見た目で判断してしまう」ことにあります。
良い薪の特徴|これだけは覚えておきたい7つのポイント
① 軽い(見た目より持ったときが重要)
乾燥した薪は、驚くほど軽いです。
逆に重い薪は、内部にまだ水分を含んでいる可能性大。
👉 コツ
同じサイズの薪を2本持ち比べてみてください。
重い方は避けるのが無難です。
② 叩くと「カンカン」と澄んだ音がする
薪同士を軽く打ち合わせたとき、
- 良い薪:乾いた高い音
- 悪い薪:鈍くこもった音
これは中の水分量の違いによるものです。
③ 割れ目が放射状に入っている
乾燥が進んだ薪には、年輪に沿ってヒビ(チェック)が入ります。
- 細かく放射状 → 良い兆候
- 表面がツルツル → 乾燥不足の可能性
④ 触っても冷たく湿っぽくない
水分を含んだ薪は、触るとひんやりします。
乾燥薪は、冬でも不思議と冷たさを感じにくいです。
⑤ カビ臭・腐敗臭がしない
- カビ臭い
- 土っぽい
- 酸っぱい匂い
こうした匂いがある薪は、保管状態が悪かった証拠。
燃やすと煙・煤の原因になります。
⑥ 樹皮がパリッと剥がれる
乾燥が進むと、樹皮は自然と浮いてきます。
- 指で簡単に剥がれる → 良い状態
- べったり密着 → 水分が残っている可能性
⑦ 火をつけると「すぐ燃え広がる」
着火後、
- パチパチ音を立てて炎が育つ → 良い薪
- シューッと蒸気音、白煙 → 悪い薪
これは水分が蒸発しているサインです。
悪い薪の特徴|初心者がつい買ってしまう例
「乾燥済み」と書いてあるのに燃えない
最も多い失敗です。
- 表面だけ乾燥
- 実は伐採から半年未満
- 乾燥期間が曖昧
👉 対策
「自然乾燥○年以上」と明記されているかを確認。
雨ざらし・地面直置きの薪
- 下から湿気を吸う
- カビ・腐朽が進む
- 見た目以上に水分量が多い
安くても、結果的に損になります。
薪のサイズがバラバラすぎる
- 太すぎて着火しない
- 細すぎてすぐ燃え尽きる
初心者には扱いづらく、失敗の原因になります。
初心者が必ずやりがちな3つの失敗
① 「安さ」で選んでしまう
→ 燃えない・煙い・暖まらない
② 1シーズン目から完璧を求める
→ 薪選びは経験で上達するもの
③ 自分で乾燥させればいいと思う
→ 最低1〜2年は必要
失敗しないための現実的なアドバイス
- 最初の冬は「信頼できる販売店の乾燥薪」を使う
- 自家製薪は翌年以降用として仕込む
- 含水率計があればベスト(なくても見分けは可能)
まとめ|薪選びは「火の質」を選ぶこと
薪はただの燃料ではありません。
- 暖かさ
- 炎の美しさ
- 音
- 匂い
- 心の落ち着き
すべてを左右します。
初心者のうちは失敗して当然。
でも、良い薪を一度知ると、もう戻れません。
薪ストーブの本当の魅力は、
「良い薪と出会ったとき」から始まります。


