はじめに:「向いていない気がする」という正直さ
薪ストーブに興味はあるけれど、こんなふうに感じたことはないでしょうか。
・ズボラだから無理そう
・不器用だから失敗しそう
・毎日ちゃんと管理できる自信がない
・面倒くさくなりそう
実はこの「自分は向いていないかもしれない」という感覚こそ、
薪ストーブに向いている人の第一条件だと言えます。
なぜなら、薪ストーブで本当に挫折しやすいのは、
「最初から向いていると思っていた人」
だからです。
薪ストーブに「向いている人」という幻想
世間で語られる「薪ストーブに向いている人」像は、だいたいこんなイメージです。
・DIYが得意
・体力がある
・几帳面
・自然派で意識が高い
・手間を楽しめる
確かに、こうした資質が役に立つ場面はあります。
しかし、長く続けている人の多くは、実はこのタイプではありません。
むしろ多いのは、
・面倒なことは嫌い
・楽をしたい
・失敗したくない
・無理をしたくない
そういう人たちです。
「向いていない」と思う人が持っている最大の強み
薪ストーブに向いていないと思う人は、共通して
最初からハードルを高く設定しない
という強みを持っています。
「完璧にできる気がしない」
「全部は無理そう」
そう思っているからこそ、
・最初から全部やろうとしない
・できる範囲で始める
・無理な計画を立てない
結果として、これが小さな習慣につながります。
理由① 完璧主義でない人は、失敗してもやめない
薪ストーブは、失敗が前提の道具です。
・火がつかない
・煙が出る
・思ったほど暖まらない
これらは「異常」ではなく「日常」です。
完璧主義の人ほど、
「うまくできない=自分には向いていない」
と結論づけてしまいます。
一方で、「向いていないかも」と思っている人は、
「まあ、こんなもんだろう」
と失敗を受け流します。
この受け流す力こそが、薪ストーブを続ける最大の才能です。
理由② ズボラな人ほど、仕組みを作る
ズボラな人は、頑張りません。
頑張れないことを、ちゃんと自覚しています。
だからこそ、
・薪は最初から購入する
・割られた薪を使う
・毎日焚かない
・掃除はまとめてやる
など、続けるための工夫を自然と取り入れます。
逆に「ちゃんとやれる人」は、
最初から全部自分でやろうとして疲れ果てます。
薪ストーブは、根性ではなく設計で続ける暮らしです。
理由③ 失敗を恐れる人は、行動を小さくする
「失敗したくない」という気持ちは、一見マイナスに見えます。
しかし薪ストーブでは、これは大きな武器になります。
失敗を恐れる人は、
・最初は短時間だけ火を入れる
・薪を1本だけ割る
・今日は見るだけにする
というように、行動を極端に小さくします。
これは『小さな習慣』の考え方そのものです。
失敗しようがない行動だけを積み重ねるため、
結果的に「やめる理由」がなくなります。
理由④ 「毎日できない自分」を許せる
薪ストーブが続かなくなる最大の原因は、
やらなかった日の罪悪感です。
・今日は焚けなかった
・忙しくて放置した
この積み重ねが、「もういいや」につながります。
向いていないと思っている人は、最初からこう考えています。
「毎日は無理」
「できない日もある」
だから、
・週1回でもOK
・月に数回でもOK
という距離感で付き合います。
このゆるさが、10年、20年と続く秘訣です。
薪ストーブに本当に向いていない人とは
逆に、薪ストーブに本当に向いていないのは、こんな人です。
・最初から理想像が固まっている
・失敗を許せない
・効率や成果をすぐ求める
・「こうあるべき」に縛られる
薪ストーブは、
思い通りにならない時間を受け入れる道具です。
「向いていないかも」と感じる人は、
すでにその前提を理解しています。
小さな習慣が「向いていない」を「当たり前」に変える
薪ストーブのある暮らしは、
才能や性格で決まるものではありません。
・薪を1本触る
・炎を数分眺める
・灰を少し片付ける
この程度の関わりを、細く長く続けた人だけが、
「薪ストーブがあるのが当たり前」
という境地にたどり着きます。
おわりに:「向いていないかも」は、最高のスタート地点
もしあなたが今、
「自分は薪ストーブに向いていない気がする」
と感じているなら、それはとても健全な感覚です。
無理をしない
期待しすぎない
小さく始める
その姿勢こそが、
炎のある暮らしを一番長く楽しめる人の条件です。
薪ストーブは、
頑張る人の道具ではありません。
続けた人のそばに、静かに残る道具です。
次に火を入れるときは、
「向いていない自分」をそのまま連れてきてください。
それで、十分なのです。



