はじめに
薪ストーブ生活もついに6年目に突入しました。
憧れだった「炎のある暮らし」は、実際のところどうなのか。寒い冬を暖かく、そして豊かにしてくれる一方で、手間もコストもかかるのが現実です。
この記事では、私自身が実際に5年間薪ストーブと向き合ってきたからこそ語れる、リアルな感想を正直に綴っていきます。
薪ストーブ生活5年で感じた【良かったこと】
1. 心から「暖まる」感覚は格別
エアコンやファンヒーターとは次元の違う暖かさ。
体の芯までぽかぽかに。特に厳冬期の夜は、ストーブの前で家族が自然と集まってきます。
2. 炎を眺める時間が最高の癒し
揺らめく炎は、自然のヒーリング効果そのもの。
何もせずに炎を見つめている時間が、忙しい日常の中で貴重なリセットタイムになります。
3. 家族とのコミュニケーションが増えた
薪割り、焚きつけ、灰の処理…家族全員で分担しながら関わることで、自然と会話が増えました。子どもたちも焚き付けの名人に成長。
4. 季節を感じるようになった
薪の乾燥や保管を意識することで、「四季の移ろい」に敏感になります。夏には翌冬の薪を用意、秋には薪棚整理、冬は火入れのタイミングと向き合う…。
5. 暖房費をコントロールできる
初期投資や手間はありますが、薪を安価に(あるいは無料で)入手すれば、ガスや電気よりもコスパが良くなります。
想像以上に大変だった【困ったこと】
1. 薪の確保と管理が一苦労
1シーズンで必要な薪は軽トラ数杯分。自分で伐採や運搬をするには体力と時間が必要。保管スペースも要ります。
2. 毎日の着火と火の管理
ストーブはスイッチ一つで点火しません。
朝晩の着火、焚き付け、火加減の調整など…慣れるまでは手間がかかります。
3. 灰の処理や掃除の手間
灰は1〜2週間に1回は処理。ガラスが煤ければ掃除も必要。煙突掃除は年に1〜2回が目安です。
4. 初期費用が高い
本体、設置費用、煙突工事などを含めると、トータルで50万円〜100万円は見ておく必要があります。
5. 暖まるのに時間がかかる
点火してから本格的に暖まるまで、早くても30分〜1時間はかかります。すぐに暖かくしたい人には不向き。
5年間の気づきとアドバイス
● 「手間」を楽しめる人に向いている
薪ストーブは「手軽さ」とは無縁。でも、その手間を楽しみに変えられる人にとっては、何ものにも代えがたい豊かな時間になります。
● 地域とのつながりが深くなる
薪を譲ってもらったり、伐採の手伝いに行ったり…。地域とのつながりが自然と増えるのも魅力のひとつ。
● サブ暖房との併用がおすすめ
極寒期や不在時にはエアコンやオイルヒーターとの併用が現実的。薪ストーブ1本では難しいケースも多いです。
まとめ|5年経っても「やめよう」とは一度も思わなかった
たしかに薪ストーブには手間がかかります。
でも、その「手間」のひとつひとつが、季節を楽しみ、暮らしを味わう大切なプロセスなのだと、5年経った今だからこそ実感しています。
これからも、火のある暮らしを楽しみながら、ゆっくりと時間を紡いでいきたいと思います。
最後に|これから始めたい方へ
薪ストーブを検討している方へ、ひとつだけ伝えたいのは、
「暮らしを豊かにするための選択」であること。
便利さや効率だけでは測れない「贅沢」が、そこにはあります。