子どもに
「本当に大切なものは目に見えない」
そう言葉で伝えても、正直あまり響かない。
それは子どもが未熟だからではない。
体験がまだ言葉に追いついていないだけだ。
だからこの話は、教えるよりも
一緒に“過ごす”ことから始まる。
子どもは「説明」ではなく「空気」で学ぶ
薪ストーブの前で、親が何もせずに炎を見ている。
スマホも触らず、急ぐ様子もない。
子どもはその姿を、驚くほどよく見ている。
- 何を言ったか
- どう教えたか
よりも、
- どう在ったか
- どんな時間を大切にしていたか
それが、そのまま価値観になる。
『星の王子さま』は、読み聞かせなくていい
この本を、無理に最後まで読ませる必要はない。
- 数ページでやめてもいい
- 意味を聞かれても、答えなくていい
むしろ、
「わからないまま置いておく」こと自体が、
とても大切な教育になる。
王子さまも、すぐには答えをくれない。
「持つこと」より「世話すること」を見せる
子どもは、「所有」という言葉より先に
世話する姿を理解する。
- 薪を運ぶ
- 火が消えないように見る
- 灰を片づける
その一連の流れは、
「モノを持つ=関係を引き受ける」という
静かなレッスンになっている。
君が時間をかけたものが、君にとって特別になる
この言葉を説明しなくても、
火の前では自然に伝わる。
効率を教えない時間を、あえてつくる
子どもは、すぐに「早く」「無駄なく」を覚えてしまう。
学校も社会も、そう教えるからだ。
だからこそ、家庭の中に
効率を教えない時間を残しておきたい。
薪ストーブの火は、急がせない。
- すぐ暖まらない
- 思い通りにならない
- 失敗もある
その不確かさが、
子どもの心に「待つ力」を育てる。
親が“答えを持たない姿”を見せる勇気
親はつい、正解を与えたくなる。
でも、『星の王子さま』が教えてくれるのは、
答えを持たないまま向き合う強さだ。
炎を見ながら、こう言えばいい。
「よくわからないけど、きれいだね」
「なんでだろうね」
その曖昧さを、子どもは安心して受け取る。
教育は、言葉より「夜の記憶」
大人になったとき、
子どもは本の内容を忘れているかもしれない。
でも、
- 静かな夜
- 炎の音
- 親が隣にいたこと
そういう記憶は、ずっと残る。
それがきっと、
「見えないけれど大切なもの」の原型になる。
まとめ:伝えなくていい。燃やしていればいい。
子どもに何かを教えようとしなくていい。
- 炎を起こす
- 火を見守る
- 物語を置いておく
それだけで十分だ。
『星の王子さま』も、薪ストーブも、
急がない大人の背中を通して、
ちゃんと伝わっていく。
大切なものは、
教えるものじゃない。
一緒に過ごすものだから。



